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フランスがスマホ不適合で5機種に販売停止と回収を命じる

フランスがスマホ不適合で5機種に販売停止と回収を命じる ニュース

フランスがスマホ不適合で5機種に販売停止と回収を命じる

スマホの電磁波(高周波)が基準を超えてるので停止と回収の命令したよ!って話。
私も電磁波対策として、PCやモニターなどから距離をとっているだけに気になるニュース。


ただしスマホからの周波数の量ではなく、電波のエネルギーを受けた体の吸収率がSARという基準値。
この基準値をめぐっての判断が今回の命令。

ちなみに、日本でも同様に基準があります。

  • 2W/kg:頭や胴など、四肢以外にその10gを当てたときの上限。
  • 4W/kg:その10gが四肢にあるときの上限。

今回のフランスの命令が参照した4W/kgは、この吸収量の上限です。

 

規制が想定しているリスクは、スマホの電波を体が吸収し、組織が過度に温まること。
過度に温まると健康上のリスクが想定されているわけですね。

総務省 電波利用ポータル|電波環境|電波防護のための基準の制度化
防護,法令,報道発表


  • 理事会勧告1999/519/ECは、SAR制限の目的を「全身の熱ストレスと、組織の過度な局所加熱を防ぐこと」としています。
  • そのための一般公衆の上限が、頭部・体幹2W/kg、四肢4W/kgです。
  • この上限は、加熱が問題になる水準より下に低減を入れた値です。職業ばく露の四肢は20W/kgで、一般公衆はその5分の1です。
  • 今回超えたのは四肢の接触時だけで、4.32〜4.85W/kgです。ANFRは即時の危険はないとしています。

今回の基準値では今すぐ健康被害は考えられないけど、ルールはルールなので処分がくだされたわけです。

 

スマホのSAR上限は何を根拠に4W/kgなのか

スマホのSAR上限は何を根拠に4W/kgなのか

ポケットに入れたスマホの話で出てくるのがSARです。比吸収率。体の組織1kgが、1秒あたり何ワットの電波エネルギーを吸うか、という数字で、単位はW/kgです。

シャワーに例えるなら、測定器のμW/㎠が「水の勢い」、SARが「体が実際に受け止めた量」です。勢いが同じでも、密着しているかどうかで吸い込み量は変わります。

 

一般公衆向けの局所SARは、欧州では頭部・体幹が2W/kg、四肢が4W/kgです。

今回フランスが見たのは四肢のほうです。手で持つ、腕に付ける、ポケットに入れる、といった体に接触した状態の値です。平均の取り方は10g、時間は6分です。

 

この線の出どころは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の高周波ガイドライン。1998年版が元で、2020年版でも局所SARのこの数値は同じです。

欧州は理事会勧告1999/519/EC(1999年7月12日)で、一般公衆のばく露制限として採用しています。

勧告の文言は、100kHzから10GHzのSAR制限を「全身の熱ストレスと、組織の過度な局所加熱を防ぐため」としています。

 

根拠文書はこちら。ICNIRPの1998年と2020年の違い

職業ばく露は一般公衆の5倍で、四肢は20W/kgです。一般公衆の4W/kgは、その職業値に低減を掛けた数字です。温度計の目盛りそのものではなく、加熱をSARで間接的に抑える上限、というのが文書上の位置づけです。

頭部は2、手足は4なのはなぜか

頭と胴は2、手足は4。四肢は頭部・体幹の2倍です。ICNIRPは、制限の適用を簡単にするため、組織の種類をいちいち分けず「頭・胴か、四肢か」だけで切っています。耳たぶのような表面組織の扱いも、この区分に入れてあります。

ここ、検索でよく混ざるので分けておきます。規制が直接見ているのは加熱です。細胞への非熱の影響については、ICNIRPとWHOの現行評価と、見直しを求める科学者グループで評価が分かれています。フランスの今回の命令が参照したのは、前者の加熱ベースの4W/kgです。

 

 

フランスが2026年7月に販売停止と回収を命じた5機種

フランスが2026年7月に販売停止と回収を命じた5機種

命じたのはフランス国家周波数庁(ANFR)です。公表は2026年7月30日から31日。市場からの撤去と、すでに売れた個体の回収を、市場に出した事業者に求めています。

公式のプレスリリースはこちらです。
ANFRプレスリリース(2026年7月31日、PDF)

測定は2025年7月から9月です。消費者への告知まで約10か月から12か月空いています。超過が確認されたのは四肢SARだけで、頭部や体幹の超過ではありません。

測定で4W/kgを超えた4機種

機種測定値上限測定日の目安
Doogee N55 Plus4.85 W/kg4 W/kg2025年8月22日
Infinix Smart 9(X6532)4.53 W/kg4 W/kg2025年7月24日
AGM Note N14.44 W/kg4 W/kg2025年7月24日
Nothing Phone (3a)(A059)4.32 W/kg4 W/kg2025年9月26日

超過幅は、Nothingが約8%、Doogeeが約21%です。ANFRは所有者に、販売店へ連絡するよう促しています。

Samsung Galaxy A55だけ理由が違う

5機種目のSamsung Galaxy A55(型番SM-A556E/DS)は、SAR超過ではありません。ANFRはこの型番の電波測定をしていません。理由は、適合性評価をしていない、技術文書がない、CEマークがない、という手続き不備です。

フランス正規販売の型番はSM-A556B/DSで、問題になったのは国際向け型番です。是正を求められたのは輸入業者のVALEXです。

「5機種全部が電波で回収」は、公式発表とずれます。電波で線を超えたのは4機種、書類で市場に出せなかったのが1機種、です。

 

 

命令の時点では是正されていなかった

命令の時点では是正されていなかった

ANFRの手順は、まず市場に出した事業者に是正を求める、というものです。

SAR超過の場合、過去には送信出力を下げるソフトウェア更新で収めた例があります。2023年のiPhone 12がそれです。更新後に販売再開しています。

 

今回の発表文は、不適合を終わらせるために必要な措置が取られなかった、として販売停止と回収に進んでいます。命令日は2026年7月30日から31日です。この時点で是正が出ていなかった、は公式記録上の事実です。

求められた相手は、ブランドの開発元とは限りません。

  • Nothing Phone (3a):Nothing Technology B.V.
  • AGM Note N1、Doogee N55 Plus、Infinix Smart 9:WSJ PRODUCT LTD、APEX CE SPECIALISTS、TECHTRIBE
  • Galaxy A55(SM-A556E/DS):VALEX

Doogee、Infinix、AGMの3機種は、命令時点で是正の公表がありません。Samsungの当該型番は書類不備なので、出力を下げる更新では直りません。

 

Nothingだけ、命令のあとに動きがあります。2026年8月7日頃、同社はソフトウェア機構の不具合で、極端な条件でのみ上限を超える、と説明し、8月末までの更新を表明しています。

コミュニティ上では8月19日頃、SAR調整を含む更新が出たとの記録もあります。これは命令後の対応です。7月末の時点で未是正だった事実は変わりません。

 

フランスの報道では、更新の表明がFrandroidの2026年8月7日記事に載っています。一次はANFRのPDF、事後のメーカー説明はこちらの報道、と分けて読むのが正確です。

意図まで公式は書いていません。拒否したのか、輸入側が動かなかったのか、更新が間に合わなかったのかは、発表文の範囲では区別できません。

記録にあるのは、期限までに是正がなく、回収命令が出た、というところまでです。

 

 

【スマホSAR】のよくある質問(FAQ)

【スマホSAR】のよくある質問(FAQ)

スマホのSARとは何ですか?

📡スマホのSARは、電波を体がどれだけ吸ったかを示す数字です。

SAR(比吸収率)の単位はW/kgです。

任意の生体組織10gあたり、6分間の平均で表します。

総務省は、携帯電話など人体のそばで使う無線設備に、この許容値を守る義務を課しています。

根拠は総務省「電波防護のための基準の制度化」です。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/system/

 

スマホのSARは電磁波とは違いますか?

🔍いいえ、別物ではありません。

電磁波は光や赤外線や電波を含む総称です。

スマホのSARが見ているのは、そのうち携帯電話の電波(高周波)です。

スマホのSARは、その電波のエネルギーが組織1kgあたり何ワット吸われるか、という吸収量です。

フランスの回収命令が参照したのも、この吸収量の上限です。

ANFRのプレスリリースはこちらです。
https://www.anfr.fr/fileadmin/2026/CP_DAS_AGM__.pdf

 

スマホのSAR規制は加熱リスクが根拠ですか?

🌡️はい、根拠は組織の過度な加熱です。

欧州理事会勧告1999/519/ECは、SAR制限の目的を「全身の熱ストレスと、組織の過度な局所加熱を防ぐこと」としています。

総務省の電波防護指針も、局所の温度上昇が1℃を大きく超えないように基準を置いた、としています。

名前の1文字目は「A」を禁止!のような、リスク根拠のない規則ではありません。

 

スマホの四肢SARが4W/kgなのはなぜですか?

📏一般公衆の四肢SAR上限は4W/kgです。

頭部・体幹は2W/kg、四肢は4W/kgです。

四肢は頭部・体幹の2倍です。

管理環境(職業ばく露に相当)の四肢は20W/kgで、一般公衆はその5分の1です。

この数値はICNIRPの1998年版が元で、2020年版でも局所SARは同じです。

ICNIRPの差分説明はこちらです。
https://www.icnirp.org/en/differences.html

 

フランスで回収されたスマホは何機種ですか?

🇫🇷ANFRが2026年7月30日から31日に、5機種の販売停止と回収を命じました。

SAR超過は4機種です。

Doogee N55 Plusは4.85W/kg、Infinix Smart 9(X6532)は4.53W/kg、AGM Note N1は4.44W/kg、Nothing Phone (3a)(A059)は4.32W/kgです。

上限は接触時の四肢SARで4W/kgです。

測定は2025年7月から9月で、公表まで約10か月から12か月空いています。

一次資料はANFRのPDFです。
https://www.anfr.fr/fileadmin/2026/CP_DAS_AGM__.pdf

 

Samsung Galaxy A55もSAR超過で回収されましたか?

📄いいえ、Samsung Galaxy A55(SM-A556E/DS)はSAR超過ではありません。

ANFRはこの型番の電波測定をしていません。

理由は、適合性評価がない、技術文書がない、CEマークがない、という手続き不備です。

フランス正規販売の型番はSM-A556B/DSです。

是正を求められたのは輸入業者VALEXです。

同じ発表にSAR超過の4機種と並記されています。
https://www.anfr.fr/fileadmin/2026/CP_DAS_AGM__.pdf

 

メーカーはSAR超過を是正しましたか?

🛠️命令の時点では、是正されていませんでした。

ANFRは、不適合を終わらせる措置が取られなかったとして、販売停止と回収を命じています。

求められた相手は、Nothing Phone (3a)がNothing Technology B.V.、AGM Note N1とDoogee N55 PlusとInfinix Smart 9がWSJ PRODUCT LTD、APEX CE SPECIALISTS、TECHTRIBEです。

Nothingは命令後の2026年8月、ソフトウェア不具合として8月末までの更新を表明しています。

命令日までに直っていなかった事実は変わりません。

事後の表明はFrandroidの2026年8月7日記事にあります。
https://www.frandroid.com/marques/nothing/3206647_das-trop-eleve-sur-le-nothing-phone-3a-la-marque-promet-un-correctif-avant-fin-aout

 

日本のスマホSAR規制値はフランスと同じですか?

🇯🇵はい、四肢の上限は同じ4W/kgです。

総務省は、100kHz以上6GHz以下の無線設備について、任意の生体組織10gあたり2W/kg以下、四肢では4W/kg以下、としています。

側頭部は平成14年6月1日から、それ以外の部位は平成26年4月1日から義務です。

平均電力20mW以下は適用除外です。

フランスのような販売後の接触実測による回収命令は、今回の4機種について総務省から公表されていません。

条文の説明は総務省のページです。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/system/

 

日本のSARで「任意の生体組織」とは四肢以外のことですか?

🧪いいえ、測り方の定義です。

「任意の生体組織10g」は、どこを測っても10gの塊で平均する、という意味です。

上限の数字だけが分かれます。

四肢以外は2W/kg、四肢は4W/kgです。

ポケット接触は四肢の4W/kg側です。

文言は総務省の制度化ページにあります。
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/system/

 

スマホをポケットに入れたまま使うのは規制上リスク無しですか?

👖いいえ、「リスク無し」とは書いていません。

ポケット接触は想定された使い方で、その上限が四肢の4W/kgです。

線の内側なら適合です。

フランスが回収したのは、接触時に4.32W/kgから4.85W/kgだった機種です。

ANFRはその超過についても、即時の危険はないとしています。

線の内側のポケット使用で加熱被害が起きた、という記録は今回の資料にありません。

上限の根拠は同じANFR発表と総務省の指針です。
https://www.anfr.fr/fileadmin/2026/CP_DAS_AGM__.pdf

 

被害記録がないのにスマホSARを規制する理由は何ですか?

⚖️加熱が問題になる、という根拠があるからです。

規則は、被害が出てから止める線ではありません。

問題になる水準の手前に、低減を入れて置いてあります。

一般公衆の四肢4W/kgは、管理環境20W/kgの5分の1です。

根拠がなければ、端末名の1文字目のような規則にはしません。

 

 

最後に

まぁこのくらいではリスクは気にしなくてもよさそうですが、ポケットに入れたまま、という使い方は避けた方が良いでしょうね。

将来、スマホを胸ポケットに○時間入れておくと○○リスクが証明。
なんてのがでてきたら目も当たれれません。

 

なんらリスクがないのなら、そもそも規制する必要もない。
私は以前から、日常的にはスマホなどは身につけないようにしています。

どうぞあなたもご注意を。